LP制作を丸投げすると危険!? 後悔しないための8つの注意点と成功のコツ
LP(ランディングページ)は、商品やサービスを訴求し、ユーザーからの問い合わせや購買アクションなど「ゴール」となる行動を引き出すことを目的としたWebページです。
よく耳にするLPですが、実際はどのように作ったら良いかわからず、「丸投げで作ってくれたらいいのに」と思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、「何をどこまで任せられるのか」「契約はどうするのか」といった不明点が多いまま依頼すると、思わぬトラブルを招くケースがあるのです。
せっかく外注しても、納期が延びてしまったり、期待した成果が出なかったりすれば、大切な予算と時間が無駄になってしまいます。
本記事では、LP制作を丸投げする際に陥りがちなリスクと、その回避策について詳しく解説いたします。
- LP制作を発注先に丸投げする際に起こるリスク
- LP制作を発注する場合、最低限自社がやるべきこと
- LP制作を発注するにあたり、特に注意すべき点
LP制作を丸投げすると本当に危険なのか?
多くの企業が陥る“丸投げリスク”とは
LP制作を丸投げすると、「目的が曖昧なままデザインを進めてしまう」、「コミュニケーション不足で完成物がイメージと違う」など、さまざまな失敗が起こりやすくなります。
特に中小企業の担当者様の場合、Webに詳しい専任スタッフがいないことも多く、気づかぬうちに“落とし穴”にはまってしまうことも。
こうしたトラブルを事前に回避するためにも、これから紹介する8つの注意点をしっかり把握しておきましょう。
LP制作を丸投げすると危険な理由
丸投げがどのように危険なのか、具体的な理由を8つ紹介します。
- 目的やゴールが曖昧になりやすい
- コミュニケーション不足でズレが拡大
- ターゲット・ペルソナ不明確で訴求がぼやける
- 競合調査と自社の強みを整理しないまま進んでしまう
- 自社内に制作ノウハウが蓄積しない
- 素材や情報の準備不足による修正の多発
- 契約範囲が曖昧で追加費用の発生
- 納品後の効果測定や運用改善不足
目的やゴールが曖昧になりやすい
LPは本来、商品やサービスの成約率を高めたり、見込み顧客の獲得数を増やすために作るものです。
しかし、ただ「LPを作りたい」という理由だけで外注してしまうと、制作会社がどんな目標を目指せばいいのか分からないまま制作を進めてしまいます。
「売上を増やしたい」「問い合わせを増やしたい」と漠然と言うだけでは、最終的に完成したLPがどんな成果を出すべきかが見えません。
結果として、デザインやコピーはキレイでも「なんとなく成果に結びつかないLP」になるリスクがあります。
コミュニケーション不足でズレが拡大
丸投げとは「すべて任せる」という意味合いが強いですが、コミュニケーションを一切取らずに放置してしまうと、制作側と依頼側の意図が合わなくなる可能性が高いです。
「こういうイメージが欲しい」と思っていたのに、制作会社にはその情報が伝わらず、全く別のテイストでLPが作られてしまい、修正を依頼しても、どこをどう変えたいのかの説明が不足し、結局納期が遅延する恐れがあります。
ターゲット・ペルソナ不明確で訴求がぼやける
LPは、特定のターゲットのニーズや悩みを深く掘り下げて訴求することが成功のカギです。
しかし、ターゲット層を明確にしないまま制作を進めると、誰に向けたメッセージか分からないLPになってしまいます。
若い女性向けの商品なのにテキストの文調が硬すぎたり、ビジネス向けサービスなのに軽すぎる文言で信頼感を損ねるなど、想定していたユーザーの心に響かず、離脱率が高まってしまう可能性があります。
競合調査と自社の強みを整理しないまま進んでしまう
LPは、競合他社と見比べられる可能性が非常に高いページです。
なのに、競合がどんなLPを作っているか、どんな訴求をしているかを知らないまま制作を依頼すると、自社だけのアピールポイントが埋もれてしまいがちです。
競合調査を怠ると、同業他社がほぼ同じ商品やサービスを扱っているのに「うちが一番安い」などの強みをちゃんと打ち出せず、ユーザーから見たら「どれも同じようなLP」に見えてしまい結果につながりません。
自社内に制作ノウハウが蓄積しない
LP制作を丸投げしてしまうと、ノウハウや知識が社内に残りにくいというデメリットがあります。
とくに中小企業の場合、Web担当者が兼任だったり少人数だったりするケースが多いので要注意です。
毎回すべて制作会社に任せきりで、社内では制作物を確認するだけだと、次回のLP制作や改善施策を自社で考えられなくなります。
社内メンバーがアップデートに対応できず、ちょっとしたテキスト変更すら外注が必要になってしまいます。
素材や情報の準備不足による修正の多発
LP制作では、商品の写真やサービス内容のテキスト、ロゴ・ブランドガイドラインなど、さまざまな素材・情報が必要になります。
ところが、依頼段階で素材が整っていないままスタートすると、後出しの修正が増える原因になってしまいます。
「やっぱり写真を撮り直したので差し替えてほしい」「もう少し詳しいスペックを追記したい」など、修正回数が増えれば追加費用もかさみ、納期も遅れていきます。
契約範囲が曖昧で追加費用の発生
LP制作を外注する際に「どこまでが制作範囲なのか」を明確にしないまま契約すると、途中で想定外の作業が発生しがちです。
例えば、スマホ対応や多言語対応も追加で依頼したい、SNS用バナーや広告のクリエイティブが欲しいと思った場合、当初の見積もりからかなりオーバーした金額を請求されるケースも考えられます。
納品後の効果測定や運用改善不足
LPは「作って終わり」ではなく、公開後の運用・改善が重要です。
にもかかわらず、納品後に何もしないと、数字を見ないまま放置し続けることになります。
アクセス解析(Googleアナリティクスなど)を設置しないと、流入経路や離脱ポイントが全くわからず、改善を施そうにもデータがないため、対策のしようがありません。
丸投げでも失敗しないための事前準備
では、LP制作を外注したい場合には、発注者として何をすれば良いのでしょうか。
ここからは、LP制作を丸投げしようと思う前に、するべき準備を解説します。
- LP制作の目的と成果目標(KPI/KGI)の設定
- ペルソナ・ターゲットの具体化
- 必要素材の洗い出しと整理
- 競合・参考サイトの共有
LP制作の目的と成果目標(KPI/KGI)の設定
LPを制作する目的と、KPI/KGIを社内でしっかり確認しましょう。
ここがぶれてしまうと、制作したLPが成功したか失敗したのかさえ曖昧になってしまいます。
具体的には、月間コンバージョン数〇件、CVR(コンバージョン率)〇%、売上金額〇円などの設定が有効です。
これを設定することで、制作会社も「何を目標に作れば良いか」が明確になります。
KPI/KGIとは?
KPI:Key Performance Indicator(重要業績評価指標)
KGI:Key Goal Indicator(重要目標達成指標)
それぞれ、LPで達成したい成果を数値化したものです。
ペルソナ・ターゲットの具体化
LP制作の目的に沿って、ペルソナ・ターゲットの具体化をします。
30代女性で子育てに忙しい、20代の新卒社会人でビジネスマナーに興味がある…など、物語のように具体化すると良いペルソナが作れます。
わかりやすいペルソナを設定するほど、コピーライティングやデザインが的確になります。
必要素材の洗い出しと整理
商品写真、モデル写真、サービス説明文、会社ロゴなど、最低限必要な素材はリストアップしておきましょう。
後出しすると余分な手戻りが発生し、追加費用もかかりやすいので注意が必要です。
競合・参考サイトの共有
競合他社のLPがどんなデザイン・訴求をしているのか分析することで、自社LPに活かせるヒントが見つかります。
参考サイトのURLやスクリーンショットを制作会社に渡せば、イメージを共有しやすくなるでしょう。
LPの発注先の選び方
LPの発注先も重要です。
信頼のおける発注先に頼まないと、高い金額を払って効果の出ないLPを作成してしまうことになるかもしれません。
- LP制作の実績や得意分野をチェック
- コミュニケーション体制と担当者の対応
- 見積もりや納期、修正対応の明確化されているか
LP制作の実績や得意分野をチェック
過去に制作したLPを見せてもらいましょう。業界や商材のジャンルが近いほど、イメージが湧きやすいです。
反響や成果をどのように測定しているかも確認しておくと、制作会社の実力を測れます。
コミュニケーション体制と担当者の対応
質問や修正依頼に対してレスポンスの早い担当者がいると安心です。
こまめなやり取りができる制作会社を選ぶとトラブルを減らせます。
見積もりや納期、修正対応が明確化されているか
「修正何回まで」「追加作業が発生した場合の料金は」など、具体的な条件があらかじめ確認できる発注先を選びましょう。
曖昧な口約束の契約は、後々トラブルになりやすいため、発注書や契約書を交わすことが重要です。
契約・発注時の必須チェックポイント
以下は、特に注意が必要な齟齬が起きやすいポイントです。
曖昧な点を無くすため、必ず確認しましょう。
- 契約形態(請負契約・準委任契約)について確認
- 著作権・知的財産権の取り扱い
- スケジュールと納品物の範囲
契約形態(請負契約・準委任契約)について確認
契約形態によって、支払いや業務の範囲が変わってくるので、必ず把握しておきましょう。
- 請負契約とは?
-
成果物(完成品)を納品する義務があります。修正回数などを契約で定めておかないと、追加費用が発生しやすいです。
- 準委任契約とは?
-
作業や時間単位で契約する形です。仕様変更や要望が増えても柔軟に対応しやすいですが、コスト管理が難しい場合もあります。
著作権・知的財産権の取り扱い
納品後、デザインや文章なども含め、どちらに著作権が帰属するかを明確にしておきましょう。
画像素材やフォントなど、ライセンスが必要なものについても確認が必要です。
スケジュールと納品物の範囲
LPのコーディングだけか、公開作業・サーバーセットアップまで含むのかなど、どこまでが作業範囲なのか、明確にしておきましょう。
スマホ対応、ブラウザチェックなど、詳細なスケジュールを決めておくと後々の混乱を防げます。
制作プロセスごとにチェックすべき注意点
- ワイヤーフレーム/構成案でのすり合わせ
- デザイン/コピーライティング
- コーディング・実装面
- テスト・最終確認
ワイヤーフレーム/構成案でのすり合わせ
ワイヤーフレームとは、LP全体のレイアウトや情報配置を簡単な枠組みで示したものです。
この段階で自社のイメージや優先順位を共有し修正することで、後の手戻りを最小限にできます。
デザイン/コピーライティング
文字サイズや色使い、写真の雰囲気など、ブランドイメージやターゲット、ペルソナに適しているかを確認しましょう。
コピーライティングは訴求力を大きく左右します。具体的な数値や魅力的な言葉を使い、ターゲットの「欲しい!」「知りたい!」を引き出す工夫が重要です。
コーディング・実装面
スマートフォンからのアクセスが多く想定される場合、スマホでの表示崩れや読み込み速度には特に注意が必要です。
発注先から確認を求められた場合、パソコン上だけでなく、スマートフォンの画面でも確認することが望ましいです。
テスト・最終確認
複数のブラウザ、デバイスで表示確認を行い、デザイン崩れやリンク切れがないかをチェックします。
誤字脱字やボタンリンク先の間違いなど、小さなミスも放置せずに修正依頼を行いましょう。
納品後の運用と効果測定
LPは納品して終わりではありません。
結果が出ているか確認しなければ、LPを作成した効果も、改善点も不明なままです。
制作会社に丸投げしたい場合も、結果の把握は必ずしましょう。
- アクセス解析・コンバージョン測定の導入
- A/Bテストや改善サイクル(PDCA)の重要性
- 追加更新やメンテナンスの費用確認
アクセス解析・コンバージョン測定の導入
Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのツールを使えば、ユーザーがどこで離脱しているか、どの流入経路が多いかなど、数字をもとに改善方針が立てられます。
A/Bテストや改善サイクル(PDCA)の重要性
LPは一度作ったら完成ではなく、細かなA/Bテスト(デザインや文言を比較して結果を計測)を回しながら最適化するのが理想的です。
PCDAを回し、より効果的なLPを目指せます。
追加更新やメンテナンスの費用確認
更新作業の度に外注するのか、社内で対応するのかによって、メンテナンス費用が変わってきます。
対象範囲を事前に決めておけば、予算オーバーを防ぎやすいのでおすすめです。
よくある失敗例とトラブル回避策
以下はよくある失敗例です。回避策を参考に、余計なトラブルを起こさないようにしましょう。
- 目的を固めずにデザイン優先で進めてしまう
- 修正依頼が重なりすぎて納期超過・予算オーバー
- 目的を固めずにデザイン優先で進めてしまう
- 納品後にSNS広告やバナー制作を追加で依頼し、料金トラブル
目的を固めずにデザイン優先で進めてしまう
見た目のデザインばかりに目を向けてしまうと、オシャレだけど目的がわからないLPになってしまい、結局コンバージョン率が上がりません。
回避策
必ず「成果目標」を定めたうえでデザインを決めましょう。途中で迷ったら、最初の目標に立ち返る意識が重要です。
修正依頼が重なりすぎて納期超過・予算オーバー
「あとでまとめて修正を…」と後回しにしていた結果、大量の要望が一度に発生。
制作会社が対応しきれず、納期が大幅に遅れてしまうことがあります。
回避策
ワイヤーフレームなどの初期段階でこまめに確認しましょう。
早めに伝える事で、制作会社の余計な作業も減ります。
納品後にSNS広告やバナー制作を追加で依頼し、料金トラブル
当初はLPのみの発注だったが、公開後に広告出稿やバナーも必要だと判明し追加依頼。
見積もりが予想以上に膨らんでしまうことがあります。
回避策
LPの周辺で必要になりそうなクリエイティブを事前に想定し、最初の契約範囲に含めるかどうかを検討しましょう。または段階的に追加依頼する際の費用目安を見積もりで出してもらうと安心です。
丸投げでも後悔しないためにチェックすべきことは
以上で述べたように、LP制作を丸投げしたいとしても「全部放っておく」のではなく、発注者として最低限行うべきことがあります。
最低限の準備・情報提供は発注者が行う
制作会社は慎重に選ぶ&こまめなコミュニケーションを
納品後も継続的に成果を検証・改善する
以上を意識して、なるべく負担なくLP制作を発注しましょう。
適切な事前準備やコミュニケーションを行えば、リスクを最小限に抑えながらLPを制作することができます。